人が亡くなると、故人の財産を新しく引き継ぐ人に名義変更する必要があります。
この手続きをしないで放っておくことで近年話題になっている「長期相続登記未了」による、所有者不明不動産が増えていくことになり、法務局でもその解消に乗り出しており、数十年登記していない土地の相続人に続々と手紙が届いているという現状があります。
故人が遺言書を作成していなかった場合、相続人はどのように手続きをすすめればよいのでしょう。それは、法定相続分で分けるか、そうでない場合には遺産分割協議が必要になります。
しかし、法定相続分で分けるといっても、不動産は輪切りにして何人かで分けるわけにもいかず、売却して現金化しない場合には、不動産の共有状態を生み出してしまいます。
となると、遺産分割協議をするという選択肢になりますが、下記のような状態だと、協議が難航しますし、料金もかかります。
・相続人の一人が協議書に実印を押さない ・行方不明の相続人がいて協議がすすまない ・相続人が未成年 ・相続人の中に認知症・障害をもった人がいる ・相続人の配偶者が口出しをしてきて協議が難航している
上記の状態だとどんなデメリットがあるのでしょうか?
・相続人の一人が協議書に実印を押さない →家庭裁判所での調停手続きをする必要がある。代理人をつける場合は弁護士料が別途必要になる
・行方不明の相続人がいて協議がすすまない →家庭裁判所で「不在者財産管理人」の申立をする必要がある。弁護士に手続きを頼む場合は別途弁護士料が必要になる
・相続人が未成年→家庭裁判所で「特別代理人の選任申立て」をする必要がある。弁護士に手続きを頼む場合は別途弁護士料が必要になる
・相続人の中に認知症・障害をもった人がいる→認知症・障害をもった人は遺産分割に参加できない場合が多いので「成年後見人」をつける必要がある。「成年後見人」は一度付けたら一生つけ続けるので金銭面でも負担が大きいし、自分のお金を自由に使えなくなる恐れもある
・相続人の配偶者が口出しをしてきて協議が難航している→遺産分割の協議に相続人でない人が介入すると、協議が難航し長期化する又は協議がまとまらず、家庭裁判所の調停手続きになることもある
上記は一例です。
生前にできる対策は何といっても遺言書の作成です。
それ以外にもケースごとに対策はあります。
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